40歳代は、20~30歳代よりも一層ライフスタイルに幅が出るのが特徴です。また、保有資産も人によってさまざまで、「金融資産を保有していない」という人の割合も想像以上に多いのが特徴です。本記事では、ファイナンシャルプランナー菱田雅生氏の著書、『お金のトリセツ100』(経済法令研究会)から一部を抜粋・編集し、40歳代の資産形成で押さえるべきポイントについて解説します。

40歳代の資産形成のポイント

■20〜30歳代と大きくは変えない

40歳代になったからといって、資産形成の方針は20〜30歳代のときと大きく変える必要はありません。少なくとも今後20年間は積立運用ができるでしょうし、70歳代になっても健康に過ごせる可能性を考えると、まだ30年以上運用できる可能性もあります。

それだけの長期運用を前提とした資産形成なら、将来のインフレや円安に備えるスタンスで、代表的な4資産(国内債券、国内株式、外国債券、外国株式)は必ず組み合わせた積立運用をしていくべきでしょう。

■40歳代の半数の資産保有額が200万円以下

金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査2022年」を見ると、40歳代で金融資産を持っていない人は、28.4%もいるようです[図表1]

持っていても100万円未満の人を加えると、なんと40.4%! つまり、40歳代のうちの4割を超える人が、100万円未満の資産しか持っていないわけです。

しかし反対に、1,000万円以上の金融資産を持っている人も20%を超えています。そのため、40歳代の金融資産保有額の平均は785万円となっています[図表2]

金融資産保有額の一番少ない人、もしくは一番多い人から順番に並べて、ちょうど真ん中にあたる人の保有額(中央値)は200万円なので、40歳代の半数の人は200万円以下しか保有していないことがわかります。

とはいえ、人生はいつでも「これから」です。いまの資産額が平均より多いか少ないかは気にしなくて大丈夫。少しずつでも積立運用を始めれば、20年でそれなりの資産にはなるはずです。とにかく始めましょう。

40歳代のポートフォリオ例

■40歳代が最も多様性のある世代かも?

40歳代と一口に言っても、人によって置かれた状況はかなり違うものです。

アラフォーで結婚し、まだ子どもは生まれたばかりという人もいれば、20歳代半ばで結婚して、40歳代になるころには子どももすでに中高生という人もいるでしょう。そのほか、独身の人もいるでしょうし、私のようにバツイチになった人、二度目の結婚をした人などもいるかもしれません。

40歳代は、20〜30歳代以上にさまざまなライフスタイルがあると思われます。そんな40歳代の理想的なポートフォリオは、まさにケースバイケースといえるでしょう。

40歳代「保有資産・積立投資の組み合わせの割合」2つのケース

■近い将来まとまった出費があるのかどうか

では、40歳代の人が、自分に合った保有資産の組み合わせの割合と、積立投資の組み合わせの割合を考えていくとしましょう。まず確認すべきポイントは、「近い将来、まとまった出費の予定があるかどうか」です。

まとまった出費の予定がある人は、その出費に備えて、多少なりとも預貯金の比率を高めておいたほうがよいかもしれません[図表3]

もちろん、投資信託などの値動きのある商品でも、通常は4、5営業日後には現金化できますので、解約のタイミングの違いによる受取額の多少の増減を気にしないのであれば、預貯金の比率はさほど高めなくてもよいでしょう。

一方、まとまった出費の予定がない人は、少なくともまだ20年は長期の積立投資ができるでしょう。だとすると、20〜30歳代の人と同様、将来のインフレに備えるために株式の割合を高めにし、将来の円安に備えるために外国株式や外国債券の割合も高めにするという方法が考えられます[図表4]

金融商品の受渡日(うけわたしび)とは?

株式や投資信託の取引において、買付代金の払込日や、売付(解約)代金の受取日のことを「受渡日」といいます。国内株式の個別銘柄の受渡日は、約定日(取引が成立した日)から起算して3営業日目(約定日の翌々営業日)になります。投資信託の受渡日は、投資対象が国内のみの場合は4営業日目、投資対象に海外を含む場合は5、6営業日目になっているのが一般的です。詳しくは目論見書に記載されています。

菱田 雅生 ライフアセットコンサルティング株式会社 代表取締役 ファイナンシャルプランナ



(出典 news.nicovideo.jp)


(出典 奥さんに通帳を見せたくない男性 %「隠すほどの額がない」「ネコババされそう」|「マイナビウーマン」)


40代で資産形成を考えることは、将来の安定に欠かせません。特に、資産保有額が100万円未満という現状は思っている以上に多くの人が直面している問題です。まずは少額からでも投資を始めることが重要で、リスクを分散しつつ資産を育てていく方法を学ぶことが、キャリアの後半に差し掛かるこの年代において特に求められています。

資産形成が遅れていると感じている40代の方々にも、まだまだ取り組む価値があります。専門家の助言をもとに、定期的な貯金や投資信託など、少しずつ資産を増やす方法を実践していくことで、将来に対する不安を減らすことができるでしょう。資産形成の第一歩は、自己管理の意識を高めることから始まります。

特に40代は、家庭や仕事の責任が重くのしかかってくる年代ですが、資産形成を怠る理由にはなりません。将来の生活に向けて、今から計画的な資産運用に取り組むことが求められます。CFPが説くポイントを押さえ、持続可能なライフスタイルを見据えた資産形成に励んでいただきたいです。

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