VTuberプロダクション「ホロライブ」を運営するカバー株式会社は13日、2024年3月期の本決算を公表するとともに、上場区分を“東証グロース→プライム(旧東証1部)”に変更する意向を示し、変更申請に向け準備を行うことを伝えた。
【画像】昨年は“総工費27億円の新スタジオ”も設立、予想上振れの本決算サマリー(IR資料より)
同社は「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」とのミッションのもと、国内大手「ホロライブ」を中心に、英語圏向け「ホロライブEN」など複数のVTuberプロダクションを運営している。2016年に法人として始動して以降、急速に成長を続け、昨年3月に東証グロース市場へ上場。13日発表の本決算では通期売上高が前期比47.5%増、営業利益は同62.0%増となるなど、高い水準での成長を継続していることがわかった。
VTuberプロダクションの上場を巡っては同じく国内大手「にじさんじ」を運営するANYCOLOR株式会社が2022年6月にグロースに上場、そのわずか6ヶ月後にプライムへ市場区分を変更する準備を始めたことを発表し、翌年6月に変更が承認されていた。今回発表を行ったカバー社はこの動きを約1年程度で後追いする形となっており、好材料と受け止められているほか、早い段階での続報公表に期待が寄せられている。
※発表は“申請の準備”を通達するものであるため、具体的な変更申請日や承認日は未定のほか、変更承認されない可能性もある点に注意が必要。
同社は創業来の継続的な成長について、YouTube等でのライブ配信に留まらない多面的な露出拡大が図れる“VTuberの強み”が要因だとしており、今後はグッズ販売のマーチャンダイジング分野を中心に、世界的なイベント展開、非近接業種企業とのタイアップなどを通じたビジネスモデルの確立を目指す考えを示していた。
変更承認なら“大手2社並立”競合との優位性は
もしカバー社の変更申請が承認された場合、“国内2大巨頭”とも称される大手プロダクションが並んでプライム上場を果たすこととなる。両者はVTuberという同じ領域で高成長を続けているが、各分野での得手不得手があるようで、なかでも“競合との優位性”について問われた矢郷CEOは「競合に比べ『ホロライブ』所属タレントのチャンネル登録者数が多いのは優位性の一つ。多言語ローカライズを積極的に行ったことがファンコミュニティの拡大に寄与し、登録者数の増加につながった。」と回答していた。(2023年3月27日・上場記者会見内質疑)
また、コマース分野での競合との利益構造の相違点については「競合は会社主導でグッズ販売を行っているが、自社は『タレントの収益還元の大きい記念日や誕生日に合わせた受注生産品』に注力している。」(同上)と展開方針の違いを分析。1年が経った直近の本決算ではEC販売に加え「国内外の小売店への商品配荷が増加」したとも報告しており、機会損失の克服を模索していることが伺える。
(出典 news.nicovideo.jp)
この動きは、ホロライブの成長性を表す一方、今後の事業展開にさらなる期待を抱かせるものであり、注目が集まることは必至だ。
上場区分の変更は、企業の信頼性や企業価値を向上させる重要な一歩と言える。ホロライブがこれほどまでに成長を遂げたことは、その努力と実績が評価されている証拠だ。
ホロライブは今や、バーチャルYouTuber市場において欠かせない存在となっており、プライムの上場区分に移行することで、その地位をより確固たるものにすることができるだろう。今後の展開がますます楽しみだ。
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